東大更
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岩手県西根町、大更(おおぶけ)。商店街をつっきると、駅があった。
岩手山のおひざもとの町である。特別天然記念物の焼走り溶岩流へはバスで20分。岩手山噴火の際、流れ出た溶岩がそのまま固まってできたもの。
見たことはないが、おそらくはごつごつとした黒い岩石群ではないか。赤い溶岩のなりの果て。地獄の淵への触手のようで、こわい。
今日の岩手山は、あんなにきれいなお顔だちなのに、、。本当に、山は身勝手だ。
西へ進めば、東八幡平温泉郷に出る。勿論、八幡平も目と鼻の先。高原の涼しい一時を満喫してみるのも、一興かもしれない。スキーに温泉に、レジャーには事欠かない。
鉄道も、国道も、高速道路も、花輪方面へ、北へと向かっている。本日、快晴。クルマのエンジンをふかす。
(00年)
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平館(たいらだて)は歌人、石川啄木(1886~1912)の父親の出身地。駅前に歌碑がたっている。
「たはむれに 母を背負ひて そのあまり かろきに泣きて 三歩あゆまず」(戯れで母をおぶったが、あまりに軽いのに驚き、悲しくなり、三歩も進めなかったよ)
年老い、小さくなっていく母と、ふがいない自分の境遇を重ね合わせ、涙がつたったことだろう。なんだかわかるような気がする。
でも、ちょっと待て。ここは父の出身地ではないか?父はどこに登場するんだろう。母にくらべて、影がうすいような、、。
多分、父はここを離れて渋民の住職として腰をすえ、そこで結婚、啄木が生まれたのだろう。実際には病気の啄木を、東京より故郷に連れ戻すなど、父親の存在感を充分、発揮しているのだが、、、。
それがまた、複雑な影をおとしているのかもしれない。
(00年)
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元は「岩手松尾」駅だったが、やはりなんといっても八幡平であろうと、駅名も高速道路のI.C.も「松尾八幡平」に。
エゾツツジ、ミズバショウ、高原の八幡平は、温泉にスキーに登山にと、楽しめる。ロッジやペンションも立ち並び、シーズンごとに県内外からの観光客をひきつける。ロープウェイを上った先の山頂からの眺めは格別だろう。ぜひ足をのばしてみたい所だ。
岩手山のてっぺん、屏風尾根の絶壁も松尾村の範囲。高山植物が見られ、噴火でできた湖もある。鬼ヶ城という山は、平安時代、鬼が住んでいて、退治されたといわれるが、噴火を鬼の仕業と見たてたのではないか。
おかげで温泉がこんなにいっぱい。東八幡平温泉郷に、地熱発電のある、松川温泉、山向こうの雫石には、網張温泉も。鬼万歳!といいたいところ。
(00年)
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少しそれるが、安代I.C.もある。高速道路は充実している。
集落は立て込んで、役場もあり、このあたりが安代町の中心部。そこに荒屋新町駅。快速列車が停まり、同町の顔であるが、あいにくスタンプは置かれていなかった。
「りんどうの里安代」とあるが、りんどうが群生しているのだろうか。四方を山に囲まれ、分け入れば、沢や滝があり、いいムードを醸しだしてくれる。自然いっぱいだ。
北東へ徒歩15分に昭和62年誕生の、新安比温泉があるという。最近できた新しい温泉。駅名も「新町」というからには、住民は新しもの好きなのかもしれない。
駅から「欠の山」(標高600メートル強)が見える。鉄道、国道、高速道、と3拍子そろっていて、欠けるもの何もなし、と思うが。
(00年)
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小学3年生の夏、家族そろって、ここへ来た。山の中の旅館ビル街。そのアンバランスは変わっていない。川のせせらぎが過去を思い出させる。ウグイスが歓迎のあいさつ。
親切な駅長さんが、湯につかってきたらどうか、と勧めてくれた。でも、今回の目的はそれではない。「湯」なら、12年前に確かに、つかった。今、つかっているのは、「思い出」だ。
思い出は、金にかえることも、人に売ることもできない。あの時の思い出は、まだ、ここに、あった。駅名が「湯瀬」から「湯瀬温泉」に変わったといえども。鉄道、国道、高速道、の3線がせまい渓谷にひしめいていることも、当時のまま。
列車が来た。乗る。家族みんなが楽しんだ一時が、過ぎ去っていく。、、、。温泉につかればよかったかもしれない。
(99年)
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後生掛温泉、蒸ノ湯温泉、藤七温泉、大沼、八幡沼、ミズバショウ、リュウキンカ、エゾツツジ、モウセンゴケ、焼山、安比岳、スキー場、、。
自然豊富、八幡平ワールド。国立公園、八幡平への入り口。駅前にはバスがとまる。八幡の森へと誘われそう。
しかし、駅はずっとふもと。八幡平高原へはそのバスでどうぞ。秋なれば大勢の観光客でにぎわう。
それよりここは大日霊貴(おおひるめむち)神社への最寄り駅。なんと1500年も前の建立というから、驚く。大日堂舞楽、「だんぶり長者」伝説、イチョウの大木、、。神域。おそれおおい。
記念すべき秋田県内全駅訪問の最後の駅が、この駅というのも、偶然とはいえないかも。そんな雰囲気がそこかしこに、ある。
風車がまわっている。くるくると、、。
(99年)
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ここ花輪は、その中心部で、市街地を形成している。秋田県にありながら、県都・秋田市から最も遠い市だ。
元々この地は、秋田(羽後)ではなく、岩手(陸中)に属していた。江戸期は南部藩領である。駅名も以前は「陸中花輪」だったくらいだ。
秋田県にありながら、岩手県的な要素を持った町。それが鹿角の魅力でもある。
市の西、尾去沢鉱山は、古くからの炭坑。閉山になってからは、「マインランド尾去沢」として、観光地に生まれ変わった。小学3年生の夏、家族と訪れた。真夏なのに、ひんやりとした坑内。一心にハンマーをふるう作業員の姿が復元されていた。当時は「不気味」としか感じなかったが、今は「悲哀」を感じることができる。
夏の名物、花輪ばやし。見事な祭り屋台と華やかなリズム。無形民俗文化財に指定されている。秋は鹿角りんごの収穫に、冬はスキー。まじりあう。
秋田と岩手の融合体。両者のかけ橋となってほしい。
(99年)
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鹿角市、十和田南駅。元、毛馬内(けまない)と名乗ったが、十和田観光の拠点なので、改名した。惜しい。前の方がよかったような気がする。鉄道作家、宮脇俊三氏も著書の中で、そう語ってもいた。
ここはスイッチバック駅。列車の進行方向が逆になる。多分、この先、北にむかって、小坂鉱山まで鉄道をのばそうと思ったのだろう。接続駅にはならず、妙な形で駅がある。
毛馬内は、県内三大盆踊りに数えられる、「毛馬内盆踊り」で有名な土地。
さて、駅前のバスもタクシーも、目は十和田湖をむいている。和井内貞行(1858~1922)の胸像がある。十和田湖のヒメマス養殖に成功した偉人。湖の魚は彼の子孫だったのか、と感銘を受ける。
その十和田湖。面積60キロ平方メートル、最大深度327メートル。秋田では田沢湖と並ぶ、神秘の湖。周辺は美林におおわれ、もちろん貴重な観光資源だ。かなり昔、家族でいったようだが、ほとんどおぼえていないのが、残念。
その湖に行く途中に、大湯環状列石。古代ミステリー、ストーンサークルだ。古代人の日時計かと思われるが、宇宙人との交信基地だった、との面白い説もある。こちらの方が夢があって、いいと思う。
(99年)
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