2006年10月30日 (月)

柳原

Img074_1  北上市内の住宅地の中。

 案内標識もないので、適当に探り当てようとしていたら、迷って、市内をぐるぐる。人に尋ねて、ようやく発見。

 駅は無人だが、周りはけっこうにぎやか。住宅もたてこんでおり、一本のレールが圧迫されている感だ。

 北上駅に近く、直線距離にしても3キロもない。このような近いところに、なぜ、駅を作ったのだろうか?市役所や北上署はこちらの方が近いため、それらの最寄り駅ともいえる。

 北上線はやがて、東北線と合流する。東北新幹線があらわれて、北上駅である。

 (00年)

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江釣子

Img073_3  江釣子村があった頃の村の中心駅。

 和賀町と同様、北上市に吸収合併されてからは、存在感を失った。東北自動車道に「北上江釣子」I.C.と名を残すのみ。

 江釣子(えづりこ)駅には、観光用マップの看板が立っていた。まだまだ知ってほしい。

 新平遺跡や江釣子神社など、見るべきものは多いが、ここは和賀川を強調したい。このほとりで、蝦夷と中央との戦いが繰り広げられたのだろう。

 和泉式部は晩年、この地で「あらざらむ この世のほかの思ひ出に いまひとたびの あふこともがな」と詠んだのだろうか?

 「もの思へば さはの蛍も わが身より あくがれ出づる たまかとぞ見る」。この「さは」とは、「沢」、和賀川のことだろうか、、。

 (00年)

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藤根

Img072_1  北上線、国道107号線、和賀川が東西に平行している。

 単調な田園風景だが、その均衡をうち破るように、国道がバイパスと枝分かれをする。(最近のことだが)

 和泉式部の墓があるため、記しておく。和泉式部は、平安中期の女流歌人。敦道(あつみち)親王との恋愛を回想した「和泉式部日記」(1008年)が有名。自由奔放な性格で、あまり好感はもてないが、数々の名作を残した。

 「黒髪の 乱れもしらず うち臥せば まづ掻きやりし 人ぞ恋しき」

 「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの あふこともがな」

 恋に憧れ、恋に生き、恋に散った女性の最期の地であった。

 (00年)

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立川目

Img071_1  横川目があって、立川目(たてかわめ)?「立」?「縦」ではないのか?

 集落には「竪川目」の文字。「縦」は「竪」と同意義かもしれない。駅は国道107号沿いにあった。ちょっと見落としそうな感だ。

 和賀川と、ひろがる田園。2両編成、緑色の普通列車が走る。

 和泉式部の墓がある。本当か?なぜこの地に?平安中期の女流歌人、和泉式部(10世紀)。「和泉式部日記」で有名な、紫式部、清少納言と並ぶ、三大女流作家。派手な性格で、次々と貴族との恋愛を楽しみ、歌を残した。

 敦道(あつみち)親王との恋愛を回想したのが、件の和泉式部日記である。

 晩年は不遇だったようで、最終的にこの地に流れたのか。謎は深まるばかりだ。

 (00年)

 

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2006年10月26日 (木)

横川目

Img070_1  和賀町当時の中心駅。役場も駅近くにあり、町の看板であったが、北上市に吸収合併されて、今は地域の一駅でしかなくなった。

 駅自体、公民館の脇に寄せられている。なんだか、さびしい。

 駅からまっすぐ進み、和賀川を渡れば、北上西I.C.。さらにその奥を入っていけば、夏油(げとう)温泉に着く。難しい読み名の温泉だが、かなり山奥にあるので、泊りをかねて行ってみた方がいいのかも。

 ここを境に西が山。東が田園。この先、どっちに転ぶか、横川目。偶然か、駅は公民館の「横」。さらにその横の待合室には、方言飛び交う地元の人たち。

 (00年)

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岩沢

Img069_1  和賀川をとり囲むようにして、山並み。春先は雪崩注意。スノーシェルターが国道をおおう。

 あちこちに温泉が見られる。岩沢温泉、綱取温泉、沢曲温泉、、。岩風呂につかり、沢の音、、。

 岩沢駅は公民館といっしょの造り。木造の校舎のような駅舎が水溜りに反射して、のどかな山里の顔をうつしていた。

 このあたりは昔からの難所で、「車馬往来頻繁なるも、坂道、土砂崩壊多し」といわれた。南部藩時代は、新田開発が何度か行われた。水沢鉱山なる銅山があり、これにも手を加えている。少しでも収益をあげようとの岩手の人々の苦労が偲ばれる。

 鉱山は閉山し、訪れる人もまばらになった。だが、きりたつ崖の「岩」と和賀川の「沢」はいつまでも健在であると思う。

 (00年)

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2006年10月23日 (月)

和賀仙人

Img068_1  若仙人?白髪のない仙人が住んでいる?いや違う。「和賀仙人」(わかせんにん)。仙人がいてもおかしくないような山の中だから、こういう面白い地名がついたのだろうか。

 駅舎はもっとあやしい感じのする建物だったらよかったのに。ありふれた、どこかの家みたいだ。

 和賀川は途中で太くなって、錦秋湖。湯田ダムで水量を調節してあるので、ここいら辺は水流はおだやか。これも仙人様のなせる術か。

 黒々とした不気味な工場が見えるが、これは日本重化学岩手工場、北日本酸素などであるらしい。ダムの水運を利用して成り立っているのだろう。

 もしかしたら、錦秋湖の桟道の交通安全のための守り神として、仙人が住んでいるのかもしれない。きりたつ山々。春先は雪崩注意。仙人の神通力でなんとかならないものか、と思ってしまう。

 (00年)

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2006年10月21日 (土)

ゆだ錦秋湖

Img067_1  沿線最大のハイライト、錦秋湖の登場。谷底に満面と水がたまり、行く手をさえぎる。国道は崖にはりつくようにして、走っており、中国・蜀の桟道を思わせる。難所だ。

 ドライバーは、いつ湖にたたき落とされるか、冷や冷や運転しなければならない。

 そんな危険な水の上を、一本の橋がかかっている。天ヶ瀬橋。これがゆだ錦秋湖駅(元、陸中大石駅)へと通ずる唯一の道。勇気を出して、渡った。

 下を見るな。魔物が口を開いて待っている。なんだか地獄から天国へと続く、運命の橋を渡っているかのようだ。「天ヶ瀬」という名もなんとなく。

 そして、行き着いた先は、あった。ゆだ錦秋湖駅。ほっとする。着いた、という実感。

 帰りも落石に怯え、桟道を走った。しかし、眺めは、悪くない。

 (00年)

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2006年10月14日 (土)

ほっとゆだ

Img066_1  駅に着いた。ほっと(HOT)する。

 温泉と駅舎とをいっしょにした、ユニークな、その名も「ほっとゆだ」。山中のささやかな集落の中に、杉の木をふんだんに使った、ログハウス風の駅。

 湯田町の中心地、川尻にあったため、駅名「陸中川尻」だった。しかし、温泉が売りものの同町がアイデアを出し、世にも珍しい、温泉兼駅舎のつくりに生まれ変わる。駅名も親しみのある平仮名にして、「ほっとゆだ」に。

 実際、湯に浸かっていて、列車が来ると、ベルが鳴り、客に知らせるという。正にいたれりつくせり。なんだか駅に来たのだか、温泉に入るのだか、わからなくなってくる。

 岩手湯本温泉や湯川温泉と、温泉が目白押しのこの町は、列車から降りて、すぐ湯の煙がたちこもる。ほっとな気分で心もあったか。「どさ」「湯さ」。

 やがて錦秋湖の湖面が見えてくる。

 (95年)

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ゆだ高原

Img065_1  元・岩手湯田駅。駅前に出て、びっくり。子どもが描いたのか、駅舎を画用紙にして、お絵書き。駅だかなんだか、わからなくなる。でも、面白い。

 五角形の駅舎には、集会所が併設。待合室には本棚があり、小説や漫画が読める。さらに隣には、商店があり、待ち時間には飽きがこない。

 なによりも駅名がいい。「ゆだ高原」と、やわらか。高原の新鮮な空気とおいしい牛乳。

 駅への落書きというなかれ。深い愛着が注がれている。そう感じとれる。

 クモの巣が描かれてあるが、実物は中の待合室にあった。少し、驚いた。

 (99年)

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2006年5月14日 (日)

黒沢

Img070  鉄道、国道、高速道の3つの「道」が交差する。山深い県境の駅は、黒沢駅。同じ名前で、由利高原鉄道の黒沢駅がある。(秋田県由利町)

 駅構内は列車すれ違いができるようになっている。花壇に植えられた蕗が印象的だ。駅待合室でぼうっとした。

 奇怪な伝説のある「唐戸石」や隠れキリシタン存在説など、険しい山奥ならではの言い伝えが残されている。駅員がいそうでいて、いない、この駅も不気味だ。

 前九年の役で敗れた安倍貞任、追う源義家もこの地を通ったという。私は追う方なのか、それとも追われる方なのか。黒沢川に沿うルート。もう、県境だ。

 (99年)

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小松川

Img069  この付近は白木峠とよばれる。昔からの難所で、菅江真澄も「このあたり みなさかしき 山路あり」と記している。県境の峠道はどこも険しい。

 ここ小松川には江戸時代、「御番所」がおかれた。関所のことだ。南部藩領に隣接し、小荷駄隊もよく通ったという。

 山里の無人駅。ちょうどこの駅で上り列車に乗り、岩手県へと向かうところだ。偶然か否か私にとっては、まだ関所のようだ。

 駅待合室には虫がたくさん入ってくる。追われるようにして外に出た。川がある。小松川沢。あちこちにこうした支流が流れているようだ。

 (99年)

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平石

Img068  小雨の中、相野々から歩いた。次の列車までの空き時間を埋めるためだ。わりと近い。下り列車に間に合った。

 平石駅は国道107号線の一段下にある、プラットホームだけの無人駅。徒歩だから接近は簡単だったが、クルマで国道から来たら、大変だっただろう。脇道のさらに脇道の、その先に入ったところ。

 駅は見えているのに、なかなか行かれないもどかしさ。決して「平」端な道のりではなかった。私の歩いた道は山を迂回したが、鉄道、国道はトンネルがある。

 (99年)

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2006年5月 8日 (月)

相野々

Img067  山内村の玄関、相野々(あいのの)。公民館とセットになった駅舎。

 山芋が有名なこの村は、その名のとおり、山また山、のどかな里だ。鶴ヶ池という池があり、ここが村の顔。そばに相野々温泉、奥地に三又温泉がある。

 山内は、全国でも名うての杜氏の村。杜氏とは酒造りの最熟練工のこと。県内の杜氏の実に9割がここの出だというから、驚く。これには外に働き口を求めざるを得なかった、出稼ぎの歴史が横たわっているようだ。

 霊験あらたかな番神の大杉が見下ろす山内村。鶴ヶ池のほとりには公園もある。

 ぽつぽつ、雨が降ってきた。早朝の村の通り。店のシャッターがあがる。

 (99年)

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矢美津

Img066  「やびつ」と読む。国道107号線から見下ろしたところにある。

 横手市と山内村の境界線。おいしそうなブドウがたくさんぶらさがっている。そんなブドウ園に隠れるようにしてあった無人駅。そばを小さな道路がぬけており、その脇道の先が駅の入り口。

 沿線中、最も乗降客数の少ない駅で、前のダイヤではほとんど無視された。が、今はちゃんと相手にしてくれる。まったく時刻表は自分勝手だ。

 次の列車まで一時間。小さな待合室で時をつぶす。虫がやたらに入ってくる。ブドウ園に身をこじいれるようにしてある駅だから、当然か。もしかしたら、珍しい客に対する歓迎のご挨拶なのかもしれない。

 (99年)

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