「毛利は残った」を読む
ちょっと前に買った、毛利輝元関連の本、「毛利は残った」(近衛龍春・著)を読んでいる。
これまでの輝元関連の本と読み比べると、この作品が一番、真実?に近いような気がして面白くもある。要は、彼は特に明確な意思はなかった、というところがミソ。
彼にとって、天下の形成だろうが、元就の遺訓だろうが、そんなのはどうでもよく、ただ成り行き上、立場上?、そうならざるを得なかった、というところ。、、なんだかサラリーマンの悲哀のようでいて、悲しくも、同情する。私は大いに共感するのだ。
彼にとって、全てが重い負担だったのではないか?、、両川、というシステムが崩壊し、それに替わるものが見当たらず、かといって、これまでお飾りで通してきた(そのシステムで成り立ってきたので)彼に、いざ決断せよ、といったって、所詮は無理があるのでは??
そのあたりを現代企業に例えたりして、いかにも!という感じの作品だ。
彼の優柔不断が問題なのではなくて、今までそうであったし、それでうまく機能してきたから、そうなのであって、そこのところが、(今までの作品を見る限り)欠如していたように思える。まあもっとも先代が築いたシステムが終わり、新たに独自色を出すチャンスでもあったわけだが、、。
私も同じような思いなのだから、その気持ち、よくわかる。能力のない者は、とかく劣等感にさいなまされ、何かにすがろうとするものだから。(だからといって、できない事を人に求め、それを責め、人のせいにするのはだめですよ!)
彼もこんな大規模な藩(会社)のリーダーではなく、小さな大名だったら、そつなくこなしたかもしれない。、、そう思うとき、歴史って、皮肉だな、と思うのだ。
実際はどうだったのだろう??、、彼は元就や叔父の両川を、尊敬はする一方、ひがみ、ねたんで、むしろ敬遠する気持ちの方が強かったのではないか??、、そのあたりを描いた小説があまりに少なく、逆にそれが興味をそそられるわけではあるが。
この小説、タイトル「毛利輝元」にして欲しかったのだが。、、またしても私の願いはかなわなかった。
放映中の大河ドラマ「天地人」では、中尾彬演じる毛利輝元、けっこうなタヌキ親父風に描いているが、おやっ?と思ってしまった。もしかしたら、彼もけっこう強かだったのかもしれない。、、であるから、なんだかんだで藩は残った。
関ヶ原の優柔不断云々で叩くのなら、その後の大坂の役の「佐野道可事件」は説明がつかない。、、あれは彼の脚本だったのか??まるで別人だ。、、別に黒幕がいるのではないか??、、そう思ってしまう。
彼の評価はやはり、わからない。、、だんだんと謎めいてきた。
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